組織的な産学官連携リスクマネジメント

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組織的な産学官連携リスクマネジメントに関する手引書

 産業構造の変化やグローバル化、国際競争の激化等、イノベーションを取り巻く状況が劇的に変化する中で、社会の発展に寄与するイノベーションを創出し、我が国が発展を続けていくためには、従来以上に産学官が一体となった連携が要請されています。特に、大学等は、産学官連携活動の活発化・多様化を推進する大胆な社会との連携(例:「組織」対「組織」の共同研究等)が求められています。しかし、それは『今まで想定していなかったリスク』に遭遇する蓋然性を高めることでもあります。
 それらリスクと遭遇した際、もし大学が組織として適切に対応せずに放置した場合、産学官連携活動の推進が見込めないばかりか、組織自体のインテグリティ(社会的信頼性)までも損なわれることから、産学官連携の推進にはリスクマネジメント強化によるインテグリティの確立は必須と言えます。さらには、適切なリスクマネジメントの実施を通じ、インテグリティを高めることで、産学官連携活動がさらに活発化するというポジティブなスパイラルを生み出していくことが重要です。
 しかしながら、大学等におけるリスクマネジメントの現状は、研究者自身からの自己申告に依存した受動的な対応が多い(例えば、利益相反、技術流出)のが現状です。また、リスク管理部門が単独で実施していることが多く、リスク管理部門以外の部署ではリスクに関する意識が薄く、全学的なリスクマネジメントができているとは言い難いのも確かです。特に、リスク管理部門以外の部署が扱う情報内にもリスクマネジメントに必要な情報があるにも関わらず、組織全体としてリスクマネジメント情報を効果的に活用できていないことが見受けられます。
 以上から、東京医科歯科大学は、平成30年度文部科学省産学官連携リスクマネジメントモデル事業のなかで、「新たなリスクの分析と把握」において、全学的なリスクマネジメントを行うための一つのツールとして全学的なリスクの抽出を行い、全学的なリスクマップの作成につながる、産学官連携関係のリスクマップの作成に取り組みました。さらに、「リスク情報を的確に把握するための基盤づくり」として、組織として横断的に的確に、かつ効率的にリスク情報を把握し、リスクを回避するためのマネジメント体制について、モデル(試案)を構築しました。
 適切な産学官連携を推進するためにも、リスクマネジメント体制の強化及び構築は喫緊の課題です。このような産学官連携リスク管理システムの活用や、あるいはリスクマネジメントの考え方を普及することにより、想定されるリスクについて大学等組織が確実に把握し、未然にリスク回避しあるいはリスクが発生した場合も迅速に対応する体制を確立することが可能となり、さらなる産学官連携の発展につながるものと期待します。


以下、「組織的な産学官連携リスクマネジメントに関する手引書」として紹介しています。


組織的な産学官連携リスクマネジメントに関する手引書

別紙1
別紙2
別紙3
別紙4
別紙5
別紙6
別紙7

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